楽天のワンデリバリー構想に至った要因を考察してみた!

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2017年楽天特別運賃プログラム提供開始

楽天特別運賃プログラム提供開始大幅値上げ

日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便の値上げで、
送料に苦しむショップが多くなってきた

楽天市場で商品売価や送料を値上げするショップが続出

一方、Amazonは未だ低価格送料を実現中
(Amazonプライム商品であれば、送料無料又は2,000円以上送料無料を維持)

楽天市場は売上低迷(セール乱発中)

自分たちで物流網を築かなければならない

 

先日の記事でワンデリバリー構想に毒を吐きましたが、今回は『楽天のワンデリバリー構想に至った要因』を考察してみてみようと思います。

一番の要因となったのが、『楽天特別運賃プログラム』が約1年で大幅な値上げとなり、実質サービス終了に追い込まれた事ではないかと考えています。

『楽天特別運賃プログラム』
楽天市場と日本郵便の提携によって実現した運賃割引をする特別プログラム。2017年9月から提供を開始し、楽天市場に出店している企業であれば、日本郵便の配送網を特別価格で利用できる。

上記プログラムは、昨年ヤマト運輸の運賃値上げで苦しんでいたショップにとって、救世的な施策でもあり、プログラムの提供開始と共に日本郵便に乗り換えたお店も多かったと思います。

しかし今回このプログラムが大幅な値上げという形で実質サービスが終了し、大手3社(ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便)全てが法人向けの運賃を値上げをした事で、再び配送難民となるEC事業者が続出する事態となりました。



プログラム実質終了により、商品価格・送料を値上げせざる負えない状況になった

この送料の値上げには、自社の利益の削って対応するか、商品価格や送料を値上げし、お客様に負担してもらうしかありません。ショップによっては、大幅な送料値上げした事で、注文が激減したという話も聞きます。

一方楽天市場のライバルでもあるAmazonは、すでにヤマト運輸との交渉を終え、物流問題に対して専攻して取り組んでいます。更にはアマゾンの倉庫に商品を預けることで安く配送できるシステムがあり、Amazonプライムの会員であれば送料無料、プライム会員以外でも2,000円以上で送料無料を維持しています。

ここで楽天市場内の多くのショップが商品価格や送料を値上げするとなると、商品ジャンルにもよりますが、Amazonや他モールへ多くのお客が流出していく可能性が高くなります。商品価格や送料の値上げは消費者に直接響きますので、モールとしての売上低迷や活力低下に徐々に繋がっていくかもしれません。

送料問題をクリアできていない楽天市場がAmazonに対抗していくためには、自前で物流サービスを構築し、配送難民となり苦しんでいるショップを救い上げ、安価で配送できるシステムを提供する必要が出てきました。

そこで今回のワンデリバリー構想です。

Amazonとの差を埋めるには、ワンデリバリー構想が必須になった

元々、ワンデリバリー構想は三木谷社長が以前からやりたいとして掲げられていましたが、想定より早い『楽天運賃特別プログラム』の実質終了が、早急に対応を迫られる事態に繋がったのではないかと思います。

Amazonに流通額が抜かれたという話もありますし、最近のセールの乱発具合や他モールの追随状況を考えると、想像以上に送料問題が影響し、楽天市場全体の売上が悪化しているのかもしれません。ここで物流サービスを構築し、商品を安価に配送できるサービスを提供しないと、アマゾンとの差が広がってく一方になると考えたのではないでしょうか。

『楽天 EXPO2018』で三木谷社長が講演でも語ったようですが『やりたいこと』ではなく、もはや『やらなければいけないこと』になったのではないかと推測します。

大手3社(ヤマト・日本郵便・佐川)から脱却した配送システムの構築

そんな情勢をふまえEC市場の未来を考えると、ヤマト運輸・日本郵便・佐川急便に頼らない安価で商品送付可能な物流網の構築は、EC事業者側にとっても必要なのではないかと思うようになりました。

今回のように大手3社(ヤマト・日本郵便・佐川)が、大幅な値上げを断行した際、現状EC事業者側は泣き寝入りするしかありません。

無論、大手3社(ヤマト・日本郵便・佐川)側の言い分も理解はできますが、今回の大幅な値上げ断行は、今までの企業間取引を無視したあまりに横柄・横暴と言わざる負えず、企業資質すら疑ってしまいます。

もしここでEC業界だけの物流網を構築する事が出来れば、配送問題はクリアされ、大手3社(ヤマト・日本郵便・佐川)に頼らなくて済むようになります。更にAmazonのように、この物流網の外注として大手3社を利用していく事もできます。(協力してくれるかは別問題ですが、、、)

当初はワンデリバリー構想には否定的でしたが、配送難民になるショップが増えつつある昨今、大手3社に頼らない物流網が構築できるのであれば、有りかもしれないと肯定的に捉えるようになりました。

本来は楽天市場以外の業者にやってもらいたいところですが、ヤマト運輸・日本郵便・佐川急便でもない物流システムなんて、規模の大きい企業にしか構築できませんので、現状、楽天にやってもらうしかないのかもしれません。

ただ、楽天が構築してしまうと、『強制値上げが来ても従うしかない』『楽天に出店していないと利用できない』など、それはそれで問題もたくさんありそうですが、、、

個人的には、ECO配が規模を拡大・拡充して、大手3社並みの配送をしてくれるとありがたいですけれどねぇ~。

以上、配送大手3社への毒を吐きつつ、想定より早い特別運賃プログラムの実質終了が、今回のワンデリバリー構想に踏み切った要因ではないかと考察してみました。



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