<「ECzine(イーシージン)」>
KDDIと楽天が事業協争 楽天の決済プラットフォームや物流サービスをKDDIに提供や「au Pay」のリリースも
楽天とKDDIの提携が2018年11月1日発表されました。
最初に聞いた時は、単純に「KDDI血迷った??!」「Wowma!(ワウマ)終わった??!」と感じました。
ニュースによると、主に3つの分野で提携していくとの事です。
■物流サービス分野における提携
■通信ネットワーク分野におけるローミング協定の締結
マスコミでは携帯料金引き下げの行方に疑問視をしている記事が多くありましたが、EC事業に関わっている側からみると、楽天にとってはメリットばかりの提携で、KDDI側は一体何の得になるのかさっぱりわからないという印象です。
■決済サービス分野における提携
KDDIは「au PAY」を普及させるつもりで、楽天の加盟120万店の決済プラットフォームに興味を示したそうですが、いずれauユーザーが「楽天ペイ」と「楽天モバイル」に飲み込まれていきそうな気がします。
■物流サービス分野における提携
ワンデリバリー構想は楽天主導で進んでいますので、KDDIは資金面の援助でもするのでしょうか?
楽天にとっては資金面で助かる上に、物流と決済を武器に「Wowma!(ワウマ)」の動きを封じ込めるチャンスも生まれそうです。
■通信ネットワーク分野におけるローミング協定の締結
ローミング料金がKDDIに入り一時的には潤いそうですが、「楽天モバイル」がエリア100%を達成した時、立場が逆転しそうです。
携帯事業で楽天とauの立場が逆転!?なんて未来になりませんように。
携帯キャリアとしての格だけみると、KDDI>>>楽天の図式ですが、EC分野と決済分野でみると完全に楽天市場>>>KDDIです。
KDDIの目的は「au PAY普及」と「Wowma!(ワウマ)の拡大」ですが、今回の提携でこの2つは、楽天に依存しないと推し進めれない構造になってしまいます。
例えば、楽天市場が「配送料値上げするよ」「決済手数料上げるよ」と言えば、KDDI側は従わなければなりません。
楽天市場と楽天市場出店者の関係と同じですね(笑)
対して、楽天が必要なのは「アンテナ設備」と「物流構築資金」です。
この2つは構築が完了してしまえば、他社の力を借りずに展開していける事業です。逆に構築さえ終了してしまえば、KDDIの存在はむしろ邪魔になってきます。
この時に、auと楽天の立場が逆転するかもしれません。
無論これらは「楽天モバイル」が正式に立ち上がり、全うなサービスで携帯事業社として信頼されればの話ですが、楽天市場の力と決済プラットフォームを使えば、ユーザーを取り込んでいくのは、そんなに難しい話ではない気がします。
「楽天ポイントも貯まるし、auじゃなくて楽天モバイルでもいいんじゃない」
「auPAY?楽天ペイでいいんじゃないの」
「Wowma!(ワウマ)?やっぱり買い物は楽天市場でしょう」
そんな声が徐々に上がってくるかもしれません。
『我々の様なネットワークサービスを楽天が提供できるわけがない』と過信していると、楽天モバイルが軌道にのったとき、KDDIは顧客を次第に奪われていく気がします。
頭の良い人たちが考えることなので、KDDIも何か深い戦略があってのことだとは思いますが、「auは第4の携帯キャリア」「Wowma!(ワウマ)、楽天に吸収」なんて未来になりませんように。。。
そんな風に感じるほど、KDDIのメリットがわからないと感じた今回の提携話でした。